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最新の放射線治療装置 中央病院が導入 患者の負担を軽減

 富士市立中央病院は23日、がん診療の質の向上を図るために導入した最新鋭の放射線治療装置「TrueBeam(トゥルービーム)」の内覧会を高島町の同病院で開いた。11月4日から稼働する。

 トゥルービームは体表面モニタリングシステム(IDENTIFY)を搭載し、より短時間で高精度な治療を実現。患者の負担軽減にもつながる。同システムは県東部地区の公立病院では初めて導入される。
 患者の体を固定して小さながんにピンポイントで放射線を当てる「定位放射線治療」や、放射線を当てる形状や出力を細かく変えながら照射をする「強度変調放射線治療(IMRT)」ができる。
 IMRTの技術を応用した強度変調回転放射線治療は、以前の照射方法に比べ、より周囲の正常な組織への影響を抑えつつ、照射時間を短縮できる。
 寝台の動きも従来の3軸(縦・横・高さ)に加え、傾きや回転の補正もできる。腫瘍の位置合わせの精度が向上し、より高精度な治療につながる。
 放射線治療は手術、薬物療法と並ぶがんの3大療法の一つ。体への負担が手術よりも少ないことなどから、今後さらに治療法として選択される機会が増えることが想定されている。同病院はこれまで使用していた装置の経年劣化に伴い、最新鋭の装置に更新した。
 内覧会には同院の医師や放射線技師、看護師、報道機関などが参加。担当者から装置の特長の説明を受けた。
 放射線治療科の岡林俊医長は「放射線治療の技術は日進月歩。より早く、正確な治療ができる最新鋭の装置を導入することで、患者さんの負担を軽減し、安心していただける治療を提供していきたい」と話した。