富士市伝法の富士山かぐや姫ミュージアムは5日、「富士の型染体験」を同ミュージアムの工芸棟染色室で開いた。小学生とその保護者など約30人が午前と午後の2回に分けて参加。富士の型染グループ山吹のメンバー5人の指導を受け、和紙に色を差して富士山の染額を制作し、地域に根差した伝統工芸を学んだ。
富士の型染は、和染と出合った小山もと子さんが台所を工房とし、写生から染めまで全工程を一人で行うスタイルで確立。本格的な染色工芸に高めた。
体験ではメンバーがデザインして型紙を彫り、白く模様が残る部分にのりを付けた和紙を使用した。
参加者たちはメンバーが富士山に笠雲や海、サクラやフジアザミといった花などを組み合わせてデザインした中から好きなものを選択。メンバーに染めたい色の顔料を調合してもらい筆で和紙に塗った。
色を差した後はメンバーがドライヤーで乾かしてアイロンで色止め。水でのりを洗い流し、ドライヤーとアイロンで乾燥させ、参加者が額に入れた。
子供たちは「色を塗るのが難しかったけど、たくさんの色を調合してもらって、きれいなグラデーションになった。次は買い物用のバッグを染めてみたい」や「太陽が沈むときの空や海の色を上手く表現できてうれしかった。今度は型染のうちわを作りたい」などと感想を話した。
メンバーたちは「のりを落としてデザインが浮かび上がったときの参加者の笑顔が励みになる。体験を通じて型染に興味を持ち、始めるきっかけにしてもらえればうれしい」と期待した。

