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記者ひとり言 「ある戦争体験者の取り組み」 (杉)
戦争体験を伝え、平和の尊さを訴えている81歳の男性=富士市在住=の取り組みが、トヨタ財団のアジア隣人ネットワークプログラムの助成金を受けることになった。

同プログラムの狙いは、アジアが抱えている課題を明らかにし、問題に取り組む方法を導き出すこと。2007年度の助成対象は、学術、研究を中心とした39事業で、「戦争体験証言の記録と体験集の発行」を目的とした一個人の取り組みが対象となるのは異例のようだ。

その方は、1989年に発足とした「富士の語りべの会」の代表として、2ヶ月に1度、戦争体験者を講師に招いた例会を開いたり、体験者の証言をまとめた『富士の語りべの記』の編さんに取り組んだりしている。編さんは1人で担い、95年から不定期に発行している冊子は9集を数える。

3年前、例会が百回を迎えるに当たり、その方を取材。発足のいきさつや活動内容のほか、戦時中の12年間を満州で過ごしたという体験を聞かされた。

「戦争には一瞬で無くなってしまう命と、病気や飢えに苦しんで亡くなるという二つの死しかなかった」という表現が、強く印象に残った。

「人生、最後の奉仕として戦争を知らない世代に平和の尊さを訴えていきたい」とも。

例会会場の入り口には、『富士の語りべの記』の編さん費用に充てるため、使い古したダンボールの募金箱が設置されている。投入口には「活動継続のための喜捨を」とある。

トヨタ財団の喜捨≠ヘ、1人の戦争体験者の生き様が顕彰されたものでもある。

[2007-11-12-09:37]
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