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記者ひとり言 「裁きを委ねる母親の叫び」 (杉)
「1年でも軽い刑なら私が殺しに行きます」

福岡市で昨年8月、家族5人乗りの車が飲酒運転の車に追突され、博多湾に転落、幼いきょうだい3人が水死した事故の公判で読みあげられた(母親の)検事調書は、遺族の怒りと事件の大きさをあらためて物語った。

事件発生直後、きょうだいの母は、子どもたちを救うため、4回にわたって海に潜ったことが報じられ、その後の取材に対しても被告に対する怒りを押し殺し、気丈に受け答える姿が印象的だった。

”殺人を”正当化できないが、検事調書での訴えは、法廷の場だからこそ声にしたのではないか。

「自分が死んでもあなたたちは助けたかった。天国で待っていてね」という呼び掛けは、その場にいなくても強く響いた。

この公判から約10日後、夫妻に第四子となる女児が生まれた。出産の模様は、夜のニュース番組で放映された。

テレビ局の交渉に対し、「命の貴さを伝えたい」と了承を得たそうだ。

誕生の瞬間、妻は歓喜であろう声を震わせ、妻の頭上に寄り添っていた夫はおえつしていた。

犯罪被害者が刑事裁判に参加し、被告や証人に直接質問したり、求刑したりすることができる刑事訴訟法を一部改正する法律が、ことし6月に成立。来年12月には施行される見通しだ。

同法の導入を巡っては、法廷が感情に支配されるという懸念もあるが、福岡市の夫妻と同じ思いでいる犯罪被害者は少なくないと思う。裁くことをゆだねているのだから。

[2007-09-28-23:09]
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