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記者ひとり言 「住民の立場で 矢祭町の姿勢」 (渡)
「住民の立場で正しいか、正しくないかを判断しただけ」。

富士川町で開かれた講演会で、福島県矢祭町の根本良一前町長は、町長を務めた六期の町政をそう振り返った。

「矢祭はニュースになるようなことは何一つやっていない。矢祭がニュースになること事態が問題」

全国で合併論議が高まっていた平成13年10月、矢祭町は「市町村合併をしない宣言」をした。前町長の独断ではない。宣言は町議会が全会一致で実施したものだ。

決して町財政に余裕があったわけではない。その証拠に町は徹底した人件費の削減を行って、人件費を半減させている。

そういった意味では、「宣言」が町職員や議員の財政改革に火をつけたのだろう。人員削減を行った一方で、飛躍的に行政サービスを向上させた。

出産祝い金制度は3人目で100万円、4人目は150万円が給付されるほか、職員の自宅で各種料金納付や証明書発行の受付業務を行ってくれる。窓口業務は年中無休で午前7時半から午後6時45分まで。どれも注目される取り組みだ。

町教委職員が、県に借りた本を返すために3人も出張していたことを知った前町長は、「私なら誰も出張もせずに宅配便で返却する」と戒めたという。

自治体レベルからすると、矢祭町は人口約6800人。予算規模は年間29億円となっている。矢祭町が展開する施策が、特例市の人口規模で通用するかには疑問も残る。

ただ限られた税金を住民のために有効に使う姿勢は、多くの自治体職員や議員が参考できるものだろう。

[2007-06-03-02:00]
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