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〔連載〕ふじ発、紙バンドの祭典(下)
植田産業社内の展示ギャラリー
(植田産業社内の展示ギャラリー)
紙バンド(紙ひも)の実用化は、60年前(昭和30年代)にさかのぼる。

当初は、土産物などを包装紙でくるむために使われていたが、梱包材としてダンボールが普及したのに伴い、1本の紙ひもを重ねてバンド状にした。

昭和40年代に入り、プラスチックバンドが開発され、梱包用としての用途は減ったが、現在も米袋の結束用に使われているほか、海外では原紙をカットする道具としても用いられているという。

一方で手芸品の素材としては6年前に脚光を浴びた。

全国ネットのテレビ番組で紙バンド作品が紹介されたのがきっかけで、以後、生産元としてスポットライトを浴びた富士市の植田産業=依田橋=にも問い合わせが相次いだ。

これを機に、同社では手芸用として、従来のクラフト1色から色つきの紙バンドの製造に着手。大手取扱店のほか、個人に対しても通信販売で注文に応じると、顧客は全国に広がった。

その数は現在、約7000人。「ご愛顧に感謝する意味でも作品発表と交流の場を設けたかった」(植田眞晴常務)と、4年前に作品展の開催に乗り出した。

以後、毎年、ゴールデンウイーク期間中に開催。約50点が寄せられているという中で、それ以上に全国からの訪問者でにぎわう。

イベントは年に1回だが、社内にはかご、バッグなどのクラフト作品、さらに動物シリーズのショーケースなど、いたる所に紙バンド作品が展示されている。ティッシュボックスカバーやごみ箱、マルチボックスなど、実用品としての活用も目に付く。

一昨年4月に新富士駅のステーションプラザFUJI(ステプラ)へ広告ブースを設置、昨年4月には、自社の展示ギャラリーを改築するなど、作品紹介の場は年々広がっている。

4月30日(土)、ステプラで開かれる作品展「全国紙バンド作品展in富士」は、会場を富士市の玄関に移しての取り組み。

すでに、例年の3倍に相当する150点が寄せられ、当日は同施設の1階で展示、2階では体験コーナーを設ける予定。

「手芸を愛する方だけではなく、富士市を訪れる皆さんに、富士市の地場産品である紙バンドを素材とした作品を見てほしい」

植田さんは、紙のまち富士市のPRを踏まえ、新たな魅力の発信に意欲をみせる。

産業から観光資源へ―。1人歩きした紙バンドの行く先に、観光都市としての富士市も映る。  (おわり)
 

[2005-04-22-07:00]
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