富士市教育委員会の「第35回富士市民大学後期講演会」が10日、同市蓼原町のロゼシアターで始まった。
初日は入学式の後、脳科学者の茂木健一郎さんが演台に立ち、「幸福になる脳の使い方」をテーマに講演した。
茂木さんは、クオリア(感覚の持つ質感)をキーワードとして脳と心の関係を研究している。
冒頭、「幸福になる条件は、自分という個性を受け入れ、その個性を伸ばすこと」と話した茂木さんは、いつまでも充実した人生を送るためのポイントとして、脳年齢の若さを保つべきと呼び掛けた。
脳の若さを保つ秘訣では、「できるかどうか分からないことにチャレンジすること。そこで成功体験を得ると、ドーパミンが放出され、脳の司令塔となる前頭葉が活性化され、あらゆる回路が強化される。これが脳のアンチエイジングにつながる」と解説した。
市民大学は全6回。毎年各界の著名人が講師を務める人気事業で、本年度も定員700人を上回る応募があった。
次回17日にはプロフィギュアスケーターの鈴木明子さんが登場する。そのほか、時事通信社特別解説員の田崎史郎さんや落語家の林家木久蔵さんなどを迎える。