富士市伝法の市立博物館主催の体験講座「戦時中の料理」が6日、隣接する旧稲垣家住宅と歴史民族資料館で開かれた。
小学3〜6年生10人が参加。富士語りべの会の会員で戦争体験者の橋口傑さん(89)による講話や戦時中と同様の食事の調理と試食を通じて、当時の苦労や平和の尊さに理解を深めた。
橋口さんは戦時中、18歳から26歳までを満州で過ごした。
この日は、歴史民族資料館内にある戦争の生活に関する展示の解説をするとともに、当時の食事事情について紹介した。
食事に関しては「配給制度によって米は1日に食べられる量が決められていたが、足りないため雑炊などにしたり、イモやダイコンを加えたりして量を増やしていた」と説明。
「調味料は塩しかなく、サツマイモのツルも貴重品だった」と伝えた。
その上で、「戦争は二度と繰り返してはいけない。世界の国々と仲良くしなければ日本には食料が入ってこなくなってしまい、再び食べものに苦労する時代になる」と訴えた。