富士市教育委員会は29日までに、岩淵鳥居講伝承保存会が継承する「岩淵鳥居講」を市指定無形民俗文化財に指定(指定番号第68号)した。
岩淵鳥居講は岩淵の八坂神社氏子を中心に構成された講で、12年に一度の申年に富士山頂に鳥居を奉納している。
岩淵の鳥居講は江戸時代に富士川の渡船役を担っていた岩淵村が渡船の船材に富士山から伐り出した木材を使用していたため、伐採の返礼と難所の多い富士川渡船の安全祈願に富士山頂へ鳥居を奉納したことに由来する。
市文化振興課は「定期的に富士山頂へ鳥居を奉納する行事は他に例が無く、独特な富士山信仰の形を残す貴重な無形民俗文化財といえる」と文化財としての価値を伝えている。