富士宮市教育委員会は、世界遺産富士山の構成資産の一つ山宮浅間神社の遺跡発掘調査で、遥拝(ようはい)所に通じる階段の下に、中世に作られたとみられる古い階段跡を新たに発見したことから、8日に現場を一般公開した。
担当職員が説明に立ち、多くの市民をはじめ、次々とバスで訪れる団体観光客らの関心を集めた。
同神社には富士山が望める高台に遥拝所があり、富士山信仰の特別な儀式の場だったと考えられている。
調査は老朽化した階段の改修工事に伴い実施し、既存階段の石組みを取り外して発掘したところ、それ以前の古い階段とみられる石積みが見つかった。長さ約7メートル、幅約1.8メートルの範囲で、40〜60センチ四方の平たい石が積み重なっているのを確認した。
築かれた時期は鎌倉・室町時代とみられ、石は神社周辺で採取できる溶岩を利用していることが分かった。
それに伴い「土師器(はじき)」と呼ばれる素焼きのわんや皿が大量に出土し、儀式で使用されたとみている。
今月中に調査が終了し、階段跡は埋め直して保存するため、それを前に一般公開した。