満蒙開拓団と中国残留孤児を題材とした映画『山本慈昭・望郷の鐘・満蒙開拓団の落日』の自主上映会(同実行委員会主催)が17日、富士宮市宮町の市民文化会館で開かれた。
映画は、昭和20年5月に満蒙開拓団の教師として満州国に渡り、残留孤児と残留婦人の救出に身を賭した山本慈昭氏の生涯が描いた。山田火砂子さんが監督を務め、内藤剛志さん、常盤貴子さん、斎藤洋介さん、富士宮市出身の渡辺梓さんらが出演している。
上映会に先立ち、劇中で山本慈昭の妻役を務めた渡辺さんのトークショーが開かれた。
渡辺さんは、富士高卒業後の昭和62年に俳優養成所の無名塾に入塾。平成元年にはNHK連続テレビ小説『和っこの金メダル』のヒロインに抜擢され脚光を浴びた。現在も映画、舞台、ドラマなど幅広く活動を続けている。
撮影に当たっては、「物語の悲しみに溺れてしまわないように注意した」といい、「厳しい現実に一生懸命向き合い、力強く生きた人たちの心情を表現できるよう、内藤さんと斎藤さんの3人で何度も話し合った」というエピソードを紹介した。
山田監督については「生きることへの強いエネルギーを持っており、一歩ずつ前に進む姿を見て、自分ももっとがんばろうと思った」と印象を話した。
最後に「これからも富士宮市民として胸を張って役者業と向き合っていきたい」と抱負を話し、地元の熱い声援に応えた。