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中桁・中ノ坪遺跡 富士という表記のルーツか

(2012-10-18 11:00)

筆遣いまで鮮明に読むことができる(提供写真)
筆遣いまで鮮明に読むことができる(提供写真)
富士市伝法と厚原に広がる中桁・中ノ坪(なかげた・なかのつぼ)遺跡から墨で現在の「富」とは違いウ冠ではなくワ冠が使われ、冠の下に「一」の一画がない漢字が書かれた土器が見つかった(写真を参照)。

この地域は奈良時代には「フジ」と呼ばれていたことが分かっており、現在の表記である「富士」のルーツではないか―と期待が高まっている。

見つかった墨書の土器は1100〜1200年前の9世紀に作られたものと考えられている。

今年7月、中桁町内会が公会堂建設予定地で試掘調査を行ったところ、奈良時代から平安時代にかけての建物跡の存在が明らかになった。

公会堂建設で遺跡の保護が難しい箇所については、富士市教育委員会文化振興課が本格的な調査を実施。

同調査では、奈良・平安時代の建物跡4軒を検出し、多数の土器が出土した。写真の漢字が墨書きされた土器は、そのうちの1軒から出土したという。

市教委によると、「富」という字は「財」「吉」「得」などの「吉祥句」と呼ばれる、おめでたい言葉として利用されていたため、「富士」という表記のルーツとして断定できないのが現状。

市教委では今後、奈良文化財研究所のデータベースで、税である特産品を都へ運ぶ際に荷札となった木簡に「富」の文字を探すなど、慎重に調査を進めていくという。

 

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